個人的に、統計モデリングは今後いろんな分野で重要になってくると思っている。
理由は順を追って3つ
・そもそもデータドリブンな意思決定が、クール!という空気ができるから。
・取れるデータが量とともに種類が大量に増え、変数間の関係を見る必要が発生するから。
・データから予測だけでなく、”打ち手の探索”が必要になるから。
その上でモデリングとは何か(数理、統計モデリングをざっくりモデリングと呼ぶことにする)、理論とは違うのかについて、個人的な考えを整理をしてみた。(用語や定義はちゃんとした本から参照してないので、あくまで独自の定義や認識です)
世界を最小単位で考える
初っ端からよくわからないと思われるかもしれないが、言うまでもなく世界は原子なり分子でできている。別に素粒子でもクオークでもいい。目をぼやあっとして、目がスーパー顕微鏡になったと考えてみると、こんな世界が見えると思う。空気も人もすべて点の集まりだから、もう眼の前は点だらけ!あるのはひたすら点が3次元的に広がった世界!
小学校の理科で習ったように、原子がくっついて分子になる。分子がたくさん集まってタンパク質になり、タンパク質がまたたくさん集まって人になり、人が集まって社会になる。
つまり人間とそこにあるコップとは、ものすごくミクロに見れば違いはないということになる。(手を上下に動かすと空気の流れができるが、よく考えると、素粒子よりもっともーっと小さいレベルでは動かす前と動かす後では別に空間の最小単位の動きに変わりはない(はず))
世の中にはいろんな学問領域があるけど、結局はどのレベルの視点で見るか、そしてのその法則性を見つけるか、ということだと思っている。かなりざっくりだけど、化学は原子とかのレンジで規則性を見つけ、物理はもう少しマクロに物体として、生物学は生物という結合のレンジで、社会学は・・・とミクロからマクロへ視点が移っている。と一旦考えてみてほしい。
モデリングとはなにか
ここでモデリングについて考えてみる。モデリングとは現象に対して構造を考えることだ。つまり上で考えたミクロ→マクロの流れの関係性だと考える。
例えば車は何でできているかモデリングしてみる。
車 = エンジン×1個 + タイヤ×4個 + ・・・・
次に物体に働く力について考える。
力 = 質量 × 加速度
これがモデリングだ。そしてモデリングの中でも下式のように”ほぼ完璧なんじゃね?”というものは理論と呼ばれる。(ほぼと言ったのは、もっとミクロな世界では厳密には違うから)
また数理モデルや、統計的な考え方を使えば統計モデリングになる。
この流れで、営業マンの販売力について考えてみる。
販売力 = 経験年数 × 笑顔
さて、このモデリングはどうだろうか。なんだか説得力がない。ではこんな感じはどうだろうか?
販売力 = 経験年数 × (笑顔 × 1/年齢)
年齢の逆数を掛けてみた。つまり年齢が若いほど笑顔の効果が高く、おっさんだと笑顔は効かないというモデルだ。ちょっとは改善したかもしれない。
つまりビジネスでいうモデリングとは、売上や満足度など、最大化(最小化)させたいものがどんな構図になっているか、ということを発見するということだと考える。
では、モデリングの最高級品の理論のように完璧なものが作れるだろうか?現実的には無理だ。しかし大方の説明力があるモデルならビジネスで非常に強力な武器として使える。
上の例で行くと、自分の会社の販売力が、年齢なのか明るさなのか何が最も重要な要素なのかがわかれば、採用方針も教育方針も固まるだろう。
実用的な話 どこまでミクロに落とすか
ここまででモデリングとは何かについてご理解いただけたと思う。ここでもう少し実用的な話を書きたい。
よく、社会人の教訓として「なぜ?」を5回繰り返せ、というけど、冒頭の原子的にみれば、「たまたまそこの素粒子が変な動きをしていろいろ連鎖して、電気信号が流れた結果そうなった。」というのが答えだ。そして上司にしばかれる。
だからモデリングをするときは、細かすぎず、粗すぎずのいい塩梅で定式化することが重要と個人的に思っている。
例えば、再び上の車の例で、車が故障した!とすると、原因はエンジンが悪いのか、タイヤが悪いのかを考えることになり、タイヤが悪いということになれば、ゴム部がパンクしたのかボルトが緩んで外れたのか、と分解していくことになる。そしてゴム部が悪いとなれば、摩擦熱で弱ったのか、突起物により破損したのかを考え、摩擦熱が原因なら、短時間での高温が悪いのか、長時間の蓄熱が悪いのか、と、どんどんミクロに考えられる。(完全に想像だけど)
でも、車が故障して修理を頼んだ時には、「ブレーキ時に溜まった熱量が毎秒○Jで放熱されながらも・・・」みたいな話をされてもうざいだけで、「タイヤがやられてますねー」ぐらいで十分だろう。
ということで実際にモデリングする際には、現場で打ち手として考えられるレンジをブレストし、そのデータを取っていく、というのが当たり前だけど重要だと思う。
結論
とりとめもない話から入ったけど、ビジネスで売上なり退職率なりを最大化・最小化するにはモデリングが必要ということ。「売上あがれー!」という魔法でも使えればいいが、そうでない限り、売上が何でできていて、何が影響して、ていうことを打ち手が打てるレンジまでできるだけ細かく見ていこう。ということが伝わったら嬉しい。
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